ずわいがにとたらばがにの違い!味と値段と脚の数で比べて、どっちを選ぶか
まいど、食品バイヤーのしゅんです。
カニを通販で買おうとすると、たいてい最初にぶつかるのがこれです。
ずわいがにと、たらばがに。どっちを選べばいいのか。
値段もサイズも見た目も違うし、そもそも何がどう違うのか、よく分からないまま雰囲気で選んでしまう。
この記事では、その二つがどれくらい別物なのかを整理したうえで、あなたの目的ならどっちを買うべきか、というところまで話します。
仕事でカニの仕入れを長くやってきた立場から、産地や値段の裏側にも触れます。
読み終わるころには、通販のカニ選びで迷う時間がだいぶ減っているはずです。
この記事の重要ポイント
① ずわいがには本物のカニ、たらばがには分類上ヤドカリの仲間で、別の生き物
② たらばがにはカニ味噌がほとんどなく、そのぶん脚の身が太い
③ ずわいがには身は細めでも甘みが繊細で、味噌まで含めて楽しめる
④ たらばは国産がほぼ北海道だけで、流通の大半はロシア産やアメリカ産
⑤ 脚をがっつり食べたいならたらば、味わいの幅ならずわい、という選び分けになる
目次
そもそも別の生き物、たらばはヤドカリの仲間
意外に知られていませんが、ずわいがにとたらばがには、生き物としての種類が違います。
ずわいがにはクモガニ科という、いわゆる本物のカニのグループです。
一方のたらばがには、分類上はヤドカリの下目に入ります。
見た目はどう見てもカニなんですが、系統をたどるとヤドカリの親戚、というわけです。
その名残が脚の数に出ています。
ずわいがには左右に5対、合わせて10本の脚があります。
たらばがにを見ると、脚は8本しかないように見える。
これ、僕が新人のころに本気で悩んだところで。
入荷したたらばの脚を数えて8本しかないので、「規格違いのハネモノが混ざってる」と思って産地に電話で問い合わせたことがあります。
返ってきた答えは、5対目の脚が小さく退化して、甲羅の内側に隠れているから、というものでした。
実際には10本あって、ちゃんと見える脚が8本なだけ。ハサミの左右の大きさが違うのも、ヤドカリらしい特徴です。
電話口で笑われて、それ以来カニの脚は数える前に甲羅の裏を見るようになりました。
食べたときの違いは、カニ味噌があるかないか
味の方向性は、この二つでかなりはっきり分かれます。
たらばがにには、カニ味噌がほとんどありません。
正確にいうと、味噌になる部分が食用に向かないので、基本は捨ててしまう。
そのかわり、脚の身が太くて食べ応えがあります。味は淡白で、ぷりっとした食感。焼きガニやボイルで、大きな脚にかぶりつくのが持ち味です。
ずわいがには逆です。
一本一本の脚は細めですが、身がみっちり詰まっていて、噛むと繊細な甘みが広がります。
そしてカニ味噌が濃くておいしい。刺身、しゃぶしゃぶ、鍋のだし、最後は甲羅に日本酒を注いで、と、味わいの幅が広いんですよね。
正直にいうと、僕も昔はたらばの方が上等なカニやと思っていました。
脚が太くて見栄えがするので。
でも扱う量が増えてくると、どっちが上という話じゃなくて、食べたい形が違うだけやなと分かってきました。
産地と値段のリアルな話
ここは通販で買う前に知っておくと、値段の見え方が変わります。
たらばがには、国内で水揚げされるのは北海道だけです。
それも量は限られていて、日本で流通するたらばの大半はロシア産、それにアメリカ産。
「たらばは国産が一番」と思われがちですが、近年はロシアもアメリカも漁獲量が減っていて、産地だけで良し悪しを決めにくくなっています。
ずわいがにの方は、海外産だとロシア産が中心です。漁獲量が多くて、価格も比較的こなれています。
一方で、松葉がに、越前がに、加能がにといった国産のブランドずわいは、まったく別の値段の世界。同じずわいでも、外国産と国産ブランドでは何倍も差がつきます。
相場そのものは年によって大きく動きます。
2024年時点の目安でいうと、ずわいがには1キロあたりおおむね1000円台から3500円くらい、海外産だと1500円から2500円あたり。年末の12月から1月にかけては、需要が集中してぐっと上がります。
たらばの姿ものは、活きや生だと1杯で数万円という価格帯です。
参考:カニの相場については流通業者による2024年の相場解説などを参照しています。
ボイルと生、通販ならどっちを選ぶか
種類を決めたら、次に迷うのがボイルか生か、です。
通販で届くカニは、大きく分けてボイル済みと生冷凍の二つ。
結論からいうと、家庭で食べるならボイル済みの方が失敗しにくいです。
ボイルは水揚げ後すぐ、鮮度のいい状態でプロが茹でて急速冷凍しています。解凍したらそのまま食べられるし、加熱しすぎて身がパサつく心配もない。
生冷凍は、カニしゃぶや焼きガニで「生から火を入れる食感」を楽しみたい人向けです。
ただ、生は解凍と加熱のさじ加減で結果がかなり変わります。半解凍で調理する、火を入れすぎない、といったコツが要るので、慣れていないと持ち味を出しきれません。
初めての通販カニなら、ずわいでもたらばでも、まずはボイルを選んでおくのが無難やと思います。
結局、どっちを買えばいいのか
目的から逆算すると、選ぶべき方はだいたい決まります。
- とにかく脚をがっつり食べたい、焼きガニにしたい、子どもが喜ぶ迫力がほしい たらばがに
- カニ味噌も含めて味わいたい、刺身やしゃぶしゃぶ、鍋のだしまで使いたい ずわいがに
- 予算を抑えつつカニ気分を味わいたい 海外産のずわいがに
- 贈り物や特別な日で、名前の通ったカニを出したい 国産ブランドのずわいがに
逆に、二人や三人で少しだけ食べるなら、姿のカニを丸ごと買う必要はないと思います。
ずわいがにのポーション、つまり殻をむいた棒肉の状態のものを選べば、食べる手間もごみも少なくて、量の割に満足度が高いです。
殻から出汁を取りたい、見た目の豪華さがほしい、という場合だけ姿を選ぶ。そういう分け方でいいと思います。
まとめ
ずわいがにとたらばがには、見た目が似ているだけで、中身はかなり違う生き物です。
たらばは脚の身に全振りしていて、豪快に食べるカニ。
ずわいは身の甘みと味噌の両方を楽しめる、味わいの幅で勝負するカニ。
どっちが上という話ではなくて、その日食べたい形に合わせて選ぶのが正解です。
脚で選ぶならたらば、味噌まで含めた味わいで選ぶならずわい。
この軸さえ持っておけば、通販のカニ選びで大きく外すことはなくなります。
ほな、また!

