ホタテの産地ランキング!生産量トップはどこ?オホーツクと噴火湾の違いも解説
まいど、食品バイヤーのしゅんです。
通販でホタテを探すと、書いてあるのはだいたい「北海道産」。
たまに「青森県産」も見かけるけど、それ以上の情報がなくて、結局どこのが良いのか分からんまま買ってしまう。
そんな経験、ありませんか。
この記事では、ホタテの産地を生産量の数字で並べたうえで、産地ごとに何がどう違うのか、通販でどう選べばいいのかまで整理します。
仕事で毎年ホタテの仕入れを見てきた立場から、数字の裏にある話も書きます。
読み終わるころには、「北海道産」の四文字だけで選ぶことはなくなってるはずです。
この記事の重要ポイント
① 天然もの(漁獲量)で見ると、ホタテはほぼ北海道の独占で全国の約99パーセント
② ところが養殖の生産量になると、青森と北海道がほぼ互角で並ぶ
③ 同じ北海道でも、オホーツクの地まきと噴火湾の吊るし養殖では、食感も甘みも別物
④ 2023年からの中国の禁輸で、価格も加工の現場も大きく揺れている
⑤ 通販では「産地の海の名前」「生食用かどうか」「玉冷か生か」を見れば失敗しにくい
目次
ホタテの生産量、実はほぼ北海道の一人勝ち
まず結論から。天然もののホタテは、ほぼ全部が北海道産です。
農林水産省の漁業・養殖業生産統計によると、令和4年のホタテガイの漁獲量は全国で約34万トン。
そのうち北海道が約33万9600トンで、シェアにすると99.9パーセントです。
2位の青森県は431トン。桁が三つ違います。
ここだけ見ると「ホタテ=北海道、以上」で話が終わってしまう。
ただ、これは「漁獲量」、つまり海底にまいて自然に育ったものを獲る地まき式の数字なんですよね。
ホタテにはもう一つ、かごやひもで海に吊るして育てる垂下式の養殖があります。
こっちの生産量で見ると、景色が変わります。
養殖ホタテは、青森県と北海道がほぼ互角。年によって前後しますが、それぞれ全国の4割台をとり合っている状態です。
陸奥湾を抱える青森が、養殖では北海道と肩を並べる。
「北海道が9割超え」と「青森と互角」、どっちも本当で、見ている統計が違うだけ、というわけです。
参考:漁獲量・養殖生産量はいずれも農林水産省 漁業・養殖業生産統計(令和4年)によります。
同じ北海道でも、獲り方でまったく別モンになる
産地の違いって、都道府県よりも「どの海で、どう育てたか」の方が大きいんです。
地まき式は、稚貝を海底に放流して、3年から4年待ってから底引き網で獲ります。
自然の海流にもまれて育つので、貝柱が締まって肉厚になりやすい。北海道のオホーツク沿岸が主な産地です。
垂下式は、稚貝をかごに入れて海中に吊るし、2年から3年で水揚げします。
プランクトンの豊富な内湾でぬくぬく育つぶん、身がやわらかくて甘みがやさしい。北海道の噴火湾、それに青森の陸奥湾がここです。
で、これ、僕が新人のころにやらかした話なんですが。
オホーツクの地まきと噴火湾の垂下を、同じ「北海道産ホタテ」として同じ規格で発注したことがあって。
届いた現物の身の厚さも締まりも全然ちごて、刺身用に回した店から「写真と違う」とクレームが来ました。
それ以来、ホタテは都道府県じゃなくて海の名前で見るようになりました。
産地ごとの味の違いと、向いてる食べ方
産地の性格が分かると、料理の当たりはずれもだいぶ減ります。
オホーツク産は、旨味が濃くて食感がしっかり。刺身で食べても存在感があるし、フライやバター焼きで火を入れても身が痩せにくいです。
噴火湾産は、やわらかくて甘みが繊細。さっと炙るカルパッチョや、貝柱をほぐして使う炊き込みご飯だと持ち味が出ます。
青森の陸奥湾産は、遊離アミノ酸という旨味成分が多いのが特徴。八甲田や白神のブナ林から栄養が流れ込んで、エサのプランクトンが豊かなんやそうです。
生でそのまま食べて、甘みの伸びを楽しむなら陸奥湾、という選び方もあります。
- 刺身でしっかり食べたい、加熱してもふっくらさせたい オホーツク産
- 繊細な甘みを生かしたい、やさしい仕上がりにしたい 噴火湾産
- 生の甘みをじっくり味わいたい 陸奥湾産
中国の禁輸で、ホタテ業界に起きていること
ここ数年、ホタテの値段が読みにくくなっています。
きっかけは2023年8月。福島第一原発の処理水の海洋放出に反発して、中国が日本産の水産物を全面的に輸入停止にしました。
ホタテは対中輸出の主力だったので、直後に市場の卸値が2割から3割ほど落ちました。
ってなんでやねん、獲れる量は変わってへんのに、と当時は思いましたが、行き先を失った在庫が国内にあふれたわけです。
さらに厄介やったのが加工。
実は日本のホタテ、殻むきや小分けといった手間のかかる一次加工を、けっこう中国の工場に委託していました。
その中国に送れなくなったので、2024年にかけて国内の加工が追いつかず、むき身の供給が細る場面もありました。
少し話がそれましたが、価格の話に戻すと、その後は事情が変わっています。
国内の応援消費に加えて、アメリカやベトナム、台湾への輸出を各社が一気に伸ばしました。
結果、行き場を失っていたホタテがまた足りなくなって、豊洲では禁輸前より高い値がつく場面も出ています。
安くなったり、品薄で高くなったり。2026年時点でも、ホタテの相場はこの余波の中にあります。
参考:中国の禁輸とその後の状況は日本経済新聞の報道などによります。
通販でホタテを選ぶときに見るところ
通販は現物を触れないぶん、商品ページの書き方でだいたい分かります。
チェックしたいのはこのあたりです。
- 産地が「北海道」で止まっていないか。「オホーツク産」「噴火湾産」「陸奥湾産」まで書いてあるものは、売り手が中身を分かっている
- 「生食用」「刺身用」の表記があるか。なければ加熱用と考える
- 玉冷(ボイルしてから凍らせた貝柱)か、生冷凍か。刺身なら生冷凍、鍋や炒め物なら玉冷が扱いやすい
- 貝柱のサイズ表記。3Sから2Lなどで粒の大きさが変わる
- 「解凍」と書かれていないか。一度解かして再凍結したものは、水っぽくなりがち
逆に、近所のスーパーで刺身用のホタテが安く手に入る人は、無理に通販を使わなくてもいいと思います。
通販が向いているのは、産地を指定して買いたい人や、貝柱をまとめ買いして小分け冷凍したい人です。
まとめ
生産量のランキングでいえば、天然ものは北海道がほぼ独占、養殖だと青森が北海道と互角。
ただ、食べたときの違いを決めているのは都道府県じゃなくて、オホーツクなのか噴火湾なのか陸奥湾なのか、という海と獲り方の方です。
中国の禁輸で相場が揺れているぶん、産地と加工の状態をちゃんと書いている売り手を選ぶ意味は、前より大きくなっています。
「北海道産」で止まらず、海の名前まで見る。
これだけで、通販のホタテはかなり当たるようになります。
ほな、また!

