カニのボイルと生の値段の違いはなぜ?【2026年】同じ量で高い理由
※本記事にはプロモーションを含みます
まいど、食品バイヤーのしゅんです。
カニの通販ページを見比べていて、こんなことを思ったことはありませんか。
「同じタラバで、同じサイズで、同じ量。なのに、ボイルのほうが高いのはなんで?」
生はこれから火を通す途中の状態。ボイルはその先まで進んだ状態。そう考えたら高いのは当たり前、という気もします。
ただ、どこにお金がかかっているのか、と聞かれると、ちゃんと答えられる人は少ないんちゃうかな。
この記事では、かに本舗で「生」と「ボイル」が同じ条件で並んでいる商品を実際に比べて、値段の差がどこから来るのかを、文部科学省の食品成分表の数字も使ってほどいていきます。
読み終わるころには、「その1,000円、払う価値あるんか?」に自分で答えが出せるはずです。
数字は2026年10月25日に、かに本舗の商品ページで確かめたものです(税込・送料無料)。
目次
同じカニならボイルが1,000〜3,000円高い
まずは本当に高いのか、数字で確かめておきます。
かに本舗には、タラバの半むき身に「生」と「ボイル」がそろって並んでいます。サイズ(7Lと9L)も、量も、箱の大きさも同じ。違うのは茹でてあるかどうかだけ、という組み合わせです。

4組とも、ボイルのほうが高い。差は1,000円から3,000円でした。
特大7Lの1.4kgで比べると、生(603)が12,800円、ボイル(605)が13,800円。
商品ページの中身の表記を見ても、脚3〜5本・南蛮3〜5本・爪0〜2個・爪下0〜2個・肩2〜4枚、脚の長さ平均約23cm、箱は縦25.1×横36.1×高さ9cm、原産国ロシア。ここまで全部同じ書き方です。
中身の表記は同じで、茹でてあるかどうかだけが違う
となると、差額の正体はほぼ「茹でたこと」に関係している、と考えてよさそうです。
まずは、茹でて冷ます手間の分
いちばんわかりやすいのは、作業が増える分です。
生の半むき身は、脚を切り分けて、殻をカットして、凍らせて、箱に詰める。ボイルはその途中に「茹でる」と「冷ます」が入ります。

茹でるには、大きな釜と、たっぷりのお湯と、それを沸かす燃料がいる。塩加減も見なあかんし、茹ですぎれば身がパサつく。茹で上がったら、今度は急いで冷まさないと凍らせる工程に進めません。
ひとつひとつは地味でも、何百キロ、何トンと扱えば、人の手も時間もかなりかかります。
これは若いころ、取引先の加工場を見学させてもらった時の話です。
冬の朝で、外は息が白いくらい寒いのに、ボイルの釜の前だけは真夏みたいな湯気。そこに長靴の人が何人も張りついて、茹で上がったカニを次々に冷水のほうへ運んでいました。
「これ、全部手でやってはるんですか」と聞いたら、「機械に任せたら茹で加減がばらつくからな」と笑われたのを覚えています。
その日は帰りの電車で、メガネの曇りがなかなか取れませんでした。……って、どうでもええわ、そんな話。
ともかく、ボイルの値段には、あの湯気の中の作業が入っている。差額のうち、わかりやすいのはこの部分です。
ちなみに、店が原価の内訳を公表しているわけではないので、「加工賃がいくら」とまでは言えません。ここから先は、数字で確かめられる部分を見ていきます。
見落としがちなのが、茹でると重さが減ること
最初は「加工賃の分だけ高い」で話は終わりやと思っていました。でも、調べていくと、もうひとつ大きな理由がありました。
カニは茹でると軽くなるんです。
文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」には、食品を調理したときに重さがどれくらい変わるか、という表(重量変化率)が載っています。
殻つきのまま茹でて湯を切ると、ずわいがにもたらばがにも、茹でる前の約74%の重さになる、という数字です。毛がには約82%でした。

1kgの生ガニを茹でたら、約740g。4分の1ほどが減る計算です。
じゃあ身が減っているのかというと、そうでもありません。
同じ成分表で、食べられない部分(殻など)の割合を見ると、たらばがには生が70%、茹でたものが60%。茹でると殻から身が外れやすくなるので、捨てる割合が変わる、と成分表にも書かれています。
生100gのうち食べられる身は約30g。茹でると全体が74gになって、その40%が身なので約30g。
身の量はほぼそのまま、減るのは主に水分
実際、100gあたりの水分は、たらばがにの生が84.7g、茹でたものは80.0g。茹でたカニのほうが、ぎゅっと詰まっている、ということです。
「1.4kg」でも、食べる時の量は同じではない
ここが値段の話につながります。
ボイルの1.4kgは、茹でたあとの重さで1.4kg。茹でる前に戻すと、74%で割って約1.9kg分のカニを使っている計算になります。
反対に、生の1.4kgを家で茹でたり鍋に入れたりすると、火が通ったあとは約1.04kgの目安です。

同じ「1.4kg」と書いてあっても、口に入る時点では、ボイルのほうが量が多い。
店から見ると、ボイルの1.4kgを作るには生のカニがたくさん要る。1,000円高いのは、むしろ控えめなくらいです。
ただし、ここは目安として読んでください。成分表の数字は、殻つきのカニを鍋で茹でた実験の数字です。工場で茹でて冷凍した商品が、そっくり同じ割合になるとは限りません。
それでも、「ボイルは茹でて軽くなった後の重さで売っている」という見方は、値段を比べるときに覚えておいて損はないと思います。
ボイルがいつも高いわけではない
ここまで読むと、「ボイルは高いもの」と決めつけたくなりますよね。
ところが、同じかに本舗でも、そうなっていない組み合わせがありました。

タラバの肩脚、超特大8Lの1肩(net1.6kg・総重量約1.8kg)は、生(644)もボイル(636)も14,800円。まったく同じ値段です。
ずわいの半むき身、プレミアム10Lの1kgでは、生(774)が11,900円、ボイル(738)が10,800円。こっちは生のほうが1,100円高い。
なんでやねん、と一瞬思いましたが、中身を見ると理由が見えてきます。
1kgに入る脚の本数が、生の774は6〜9本、ボイルの738は8〜10本。同じ「10L」でも、生のほうが脚が太めで、本数が少ないんです。
カニの値段は、茹でたかどうかより、1本の太さや身の詰まり具合のほうが大きく効く。同じ「8L」「10L」の表示でも、商品ごとに選別の中身が少しずつ違う、ということでもあります。
見るべきは「生かボイルか」より、1kgの値段と脚の本数
生とボイルで迷ったら、商品ページの「内容量(net)」と「脚の本数」まで並べてみてください。それだけで、どっちが得かはかなりはっきりします。
結局どっちが得? 食べ方で決める
値段の差に理由があるのはわかった。じゃあ、どっちを買えばいいのか。
ここは、どう食べるかで決めるのがいちばん失敗がありません。

カニ鍋、カニしゃぶ、焼きガニ、天ぷら。火を通す料理にするなら、生がいい。
ボイルを鍋に入れると、茹でたものをもう一度煮ることになって、身が縮んで硬くなりやすい。せっかく1,000円多く払ったのに、それはもったいないです。
焼きガニも、生ならではの楽しみ方です。
反対に、解凍してそのまま食べたい、カニ酢で冷たく食べたい、茹でる鍋も時間もない。そういう日はボイルの出番です。
かに本舗のボイルは「30分で解凍&お召上がりできる食べ方説明書」が付いてきます。生のほうは「加熱してお召し上がりください」と書かれているので、刺身では食べられません。
家で生を茹でるなら、塩の量や時間で味が変わります。そこまで含めて楽しめる人は生、店の茹で加減に任せたい人はボイル、という分け方でもいいと思います。
茹で方はカニの茹で方(塩の量・時間)に、生とボイルの食べ方の違いはカニは生とボイルどっち?にまとめています。
かに本舗の生とボイル、同じサイズの組み合わせ
最後に、この記事で比べた組み合わせのうち、1パックで買える2組を並べておきます。値段と中身は、各商品ページ(2026年10月25日確認・税込・送料無料)のものです。
| 商品 | 価格 | 1kgあたり | 食べ方 |
|---|---|---|---|
| ボイル 7L 1.4kg | 13,800円 | 約9,860円 | 解凍してそのまま |
| 生 7L 1.4kg | 12,800円 | 約9,140円 | 加熱して食べる |
| ボイル 9L 1.8kg | 17,800円 | 約9,890円 | 解凍してそのまま |
| 生 9L 1.8kg | 15,800円 | 約8,780円 | 加熱して食べる |
かに本舗の各商品ページ(2026年10月25日確認・税込)。1kgあたりは価格を正味の重さ(net)で割った目安
ボイル 特大7L 1.4kg超(605)
向いてる人:解凍してすぐ、カニ酢やそのままでタラバを食べたい人
茹でてから冷凍してあるので、解凍すればそのまま食べられるタイプ。説明書どおりに解凍すれば30分ほどで食卓に出せます。
特大7Lボイルたらば半むき身満足セット1.4kg超(605)
- 価格:13,800円(税込・送料無料)
- 1kgあたり:約9,860円
- 内容量:1.4kg(総重量約1.6kg)
- 中身(1パック):脚3〜5本、南蛮3〜5本、爪0〜2個、爪下0〜2個、肩2〜4枚
- 脚の長さ:平均約23cm前後
- 人前:メイン2〜3人前
- 食べ方:解凍してそのまま食べられる(食べ方説明書つき)
- 原産国:ロシア
かに本舗の商品ページ(2026年10月25日確認)
気をつけたい点は、同じサイズの生(603)より1,000円高いこと。鍋やしゃぶしゃぶにするなら、生を選んだほうが身が硬くなりにくいです。
生 特大7L 1.4kg超(603)
向いてる人:カニ鍋や焼きガニで、火を通してタラバを食べたい人
605と中身の表記は同じで、茹でていない生のタイプ。食べる直前に流水で5〜10分ほど解凍して、鍋や焼きガニで火を通します。
特大7L生たらば半むき身満足セット1.4kg超(603)
- 価格:12,800円(税込・送料無料)
- 1kgあたり:約9,140円
- 内容量:1.4kg(総重量約1.6kg)
- 中身(1パック):脚3〜5本、南蛮3〜5本、爪0〜2個、爪下0〜2個、肩2〜4枚
- 脚の長さ:平均約23cm前後
- 人前:メイン3〜4人前
- 食べ方:加熱して食べる(流水で5〜10分解凍)
- 原産国:ロシア
かに本舗の商品ページ(2026年10月25日確認)
気をつけたい点は、そのままでは食べられないこと(商品ページに「加熱してお召し上がりください」)。冷蔵庫や常温で何時間も置くと、黒く変わる場合があるとも書かれています。
ボイル プレミアム9L 1.8kg超(527)
脚の長さ平均約26cm前後の太いタラバを、茹でた状態で。解凍してすぐ、太い脚をそのままほおばりたい人向けです。
プレミアム超特大9Lボイルたらば半むき身満足セット1.8kg超(527)
- 価格:17,800円(税込・送料無料)
- 1kgあたり:約9,890円
- 内容量:1.8kg(総重量約2.1kg)
- 中身(1パック):脚3〜5本、南蛮3〜5本、爪0〜2個、爪下0〜2個、肩2〜4枚
- 脚の長さ:平均約26cm前後
- 人前:メイン3〜4人前
- 食べ方:解凍してそのまま食べられる(食べ方説明書つき)
- 原産国:ロシア
かに本舗の商品ページ(2026年10月25日確認)
気をつけたい点は、同じサイズの生(604)より2,000円高いこと。1kgあたりでは約9,890円で、この4つの中でいちばん高い数字です。
生 プレミアム9L 1.8kg超(604)
9Lの生は、この4つの中で1kgあたりがいちばん安い約8,780円。人が集まる日のカニ鍋にちょうどいいサイズです。
プレミアム超特大9L生たらば半むき身満足セット1.8kg超(604)
- 価格:15,800円(税込・送料無料)
- 1kgあたり:約8,780円
- 内容量:1.8kg(総重量約2.1kg)
- 中身(1パック):脚3〜5本、南蛮3〜5本、爪0〜2個、爪下0〜2個、肩2〜4枚
- 脚の長さ:平均約26cm前後
- 人前:メイン5〜7人前
- 食べ方:加熱して食べる(流水で5〜10分解凍)
- 原産国:ロシア
かに本舗の商品ページ(2026年10月25日確認)
気をつけたい点は、7Lの生と同じく加熱が必要なことと、流水で手早く解凍する必要があること。食べる直前まで冷凍庫に入れておいてください。
ほかのサイズや2パック入りは、ボイルたらば半むき身4種の比較と生たらば半むき身4種の比較にまとめています。ずわいはボイルずわい半むき身6種と満足セット全11種へどうぞ。
よくある質問
Q. 生とボイル、どっちがおいしい?
どちらが上ということはなく、食べ方で決まります。
鍋や焼きガニのように温かく食べるなら、自分で火を通す生のほうが、身がふっくら仕上がりやすい。解凍してそのまま食べるなら、店の塩加減で茹でてあるボイルのほうが手軽で失敗がありません。
Q. ボイルのカニを鍋に入れてもいい?
入れても食べられますが、おすすめはしません。
すでに茹でてあるので、煮込むと身が縮んで硬くなりやすいからです。入れるなら、火を止める直前にさっと温める程度にしてください。
Q. 生のカニは茹でると小さくなる?
重さは減ります。
文部科学省の食品成分表では、殻つきのずわいがに・たらばがには茹でると約74%の重さになります。ただ、減るのは主に水分で、食べられる身の量はほとんど変わりません。
Q. 生とボイルの見分け方は?
いちばん確実なのは、商品ページや袋の表示を見ることです。
冷凍のカニは、食べる前に加熱が必要かどうかを表示することになっていて、生には「加熱してお召し上がりください」などと書かれています。見た目では、ボイルは殻の赤やオレンジ色が鮮やかなことが多いですが、色だけで決めつけず表示を確かめるのが安心です。
Q. ボイルのカニは温めたほうがいい?
温めなくても、そのまま食べられます。
冷たいのが苦手なら、蒸し器で軽く温めるか、焼き網で殻をあぶる程度に。温めすぎると身が硬くなるので、短時間で止めるのがコツです。
まとめ
同じカニなのにボイルのほうが高いのは、茹でて冷ます手間がかかることに加えて、茹でると重さが約74%に減るからです。
ボイルの1.4kgは、茹でる前に戻すと約1.9kg分のカニ。生の1.4kgは、家で火を通すと約1.04kgの目安。値札の差ほど、実際の損得の差は大きくありません。
ただし、かに本舗のタラバ肩脚8Lのように生とボイルが同じ値段のものもあれば、ずわい10Lのように生のほうが高いものもあります。比べるときは、1kgあたりの値段と脚の本数まで見てください。
鍋・しゃぶ・焼きなら生、そのまま食べるならボイル
迷ったときは、こう選ぶのがおすすめです。
解凍してすぐ食べたいなら、ボイルの特大7L 1.4kg(605・13,800円)。
カニ鍋や焼きガニにするなら、生の特大7L 1.4kg(603・12,800円)。
人が集まる日の鍋なら、1kgあたりが安い生のプレミアム9L 1.8kg(604・15,800円)。
数字は2026年10月25日時点のものです。値段は変わることがあるので、注文の前に商品ページでもう一度確かめてください。
ほな、また!
参考:文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年(表12 調理方法の概要及び重量変化率表)/文部科学省 食品成分データベース(ずわいがに・たらばがに 生・ゆで)/かに本舗 各商品ページ(603・605・527・604・677・678・759・760・644・636・774・738)(2026年10月25日確認)







