食品・海産物

うなぎの国産と中国産の違い!味と値段と育て方、どっちを選ぶべきか

しゅん

まいど、食品バイヤーのしゅんです。

土用の丑が近づくと、スーパーのうなぎ売り場でだいたい足が止まります。

同じ蒲焼きなのに、国産と中国産で値段が倍近く違う。

安い方でいいのか、それとも高い方には理由があるのか。毎年ここで少し悩む人は多いはずです。

この記事では、国産と中国産のうなぎが実際どこで違うのかを、種類や育て方のレベルから整理します。

そのうえで、あなたの食べ方ならどっちを選ぶべきか、というところまで話します。

仕事でどちらのうなぎも扱ってきたので、値段の裏側にも触れます。

この記事の重要ポイント

① 国産はニホンウナギ、中国産はヨーロッパウナギが多く、そもそも種類が違うことがある

② 国産は加温したハウスで短期に仕上げるので身が締まって風味が強く、骨も小さい

③ 中国産は屋外の池でじっくり大きく育てるので、身も皮も厚く脂がのっている

④ 値段が倍近く違うのは、稚魚の高騰と、国産の加温コストが大きい

⑤ あっさりした風味なら国産、ボリュームとコスパなら中国産、という選び分けになる

目次

そもそも種類が違うことがある

国産と中国産の違いは、産地の話だけではありません。

国産のうなぎは、ほぼニホンウナギです。

一方、中国産として売られているうなぎは、ヨーロッパウナギであることが多い。もちろんニホンウナギを中国で養殖したものもありますが、種類そのものが違うケースがけっこうあります。

白状すると、僕も昔は中国産のうなぎを「国産の偽物」くらいに思っていました。

でも扱ううちに、これは偽物とか本物という話じゃなくて、別の魚を、別の環境で育てたものなんやと分かってきました。

りんごでいえば、ふじと紅玉くらい違う。どっちが偽物ということはないですよね。

育て方の違いが、身に出る

味と食感の差は、育て方でほぼ説明がつきます。

国産のうなぎは、掘った池をコンクリートで固めて、ビニールハウスを二重にかけて育てます。

冬もボイラーで水温を30度くらいに保って、うなぎを冬眠させない。そうやって短い期間でぎゅっと仕上げます。

その結果、身は薄めで締まっていて、噛むとうなぎらしい風味が強く立つ。小骨も小さくて少なめです。あっさり食べたい人に向いています。

中国産は、屋外の土の池でじっくり育てるのが主流です。

時間をかけて大きくするので、身も皮も厚くて弾力があり、脂ののりがいい。一尾のサイズも国産より大きいことが多いです。

ここで正直に書いておくと、どっちが美味しいかは好みと食べ方しだいです。

ふっくら厚い蒲焼きにかぶりつきたいなら中国産の方が満足感があるし、ご飯とタレと一緒に上品に食べたいなら国産の締まった身が合う。上下ではなく、方向性の違いです。

値段が倍近く違う理由

国産が高いのには、はっきりした理由があります。

うなぎの養殖は、卵から育てるのではなく、シラスウナギという稚魚を海で獲ってきて育てます。

このシラスウナギが、ここ数年ずっと不漁で、値段が跳ね上がっています。ニホンウナギは絶滅危惧種に指定されているくらいで、稚魚の確保が年々きびしい。

しかも、国産の養殖でも稚魚の一部は中国や台湾からの輸入に頼っています。「国産うなぎ」でも、スタートのシラスは外国産、ということが珍しくないんですよね。

そのうえ国産は、ハウスを加温するための燃料費や、手をかける人件費が上乗せされます。

目安として、蒲焼き一尾で中国産が1,800円くらい、国産がその倍近い3,800円くらい、という比較を見かけます。

ただ、この差は年によって大きく動きます。シラスの豊凶しだいで国産がさらに上がることもあるので、あくまで2024年ごろの一例として見てください。

参考:国産と中国産の価格・特徴の比較はうなぎ通販各社の解説などを参照しています。

国産の中で産地を選ぶなら

国産と決めたあと、もう一段だけ産地の話があります。

養殖うなぎの収穫量は、2022年で鹿児島県が7,858トンと圧倒的な1位。全国のおよそ4割を占めています。

続いて愛知県が4,205トン、宮崎県が3,574トン。浜名湖のイメージが強い静岡県は、実は4位で2,365トンです。

鹿児島の中心は大隅半島で、温暖な気候と、霧島などの名水に恵まれています。ミネラルを含んだ弱酸性の地下水がうなぎ養殖に向いているんやそうです。

通販やデパートで「鹿児島産」「愛知一色産」のように産地名まで書いてあるものは、それだけ作り手がはっきりしているということ。国産の中でも一つの目安になります。

参考:養殖うなぎの収穫量は農林水産省の統計(都道府県別ランキング)によります。

結局、どっちを買えばいいのか

食べ方から考えると、選ぶ方はだいたい決まります。

  • あっさりした風味を楽しみたい、骨が気になる、来客や特別な日に出す 国産(できれば産地名入り)
  • 厚みのある蒲焼きをがっつり食べたい、丼に山盛りにしたい、コスパ重視 中国産
  • 味の違いが気になるけど予算は抑えたい 国内でタレ付け加工された中国産うなぎ

中国産でも、国内の工場でタレを付けて焼き上げたものは、家庭で温め直すぶんには十分おいしいです。

それと、年に一度、土用の丑の日に食べるだけなら、無理に高い国産の姿にこだわらなくてもいいと思います。

その一回を豪華にしたいなら国産、家族みんなで気兼ねなく食べたいなら中国産。予算とその日の目的で決めれば、後悔しにくいです。

まとめ

国産と中国産のうなぎは、産地が違うだけでなく、種類も育て方も違います。

国産は加温したハウスで短期に仕上げるので、締まった身と強い風味。

中国産は屋外の池でじっくり育てるので、厚みと脂、そしてコスパ。

値段の差は、稚魚の高騰と国産の手間からきていて、品質だけの差ではありません。

風味とあっさりさなら国産、ボリュームとコスパなら中国産。

この軸で選べば、土用の丑のうなぎ選びで大きく外すことはありません。

ほな、また!

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