サーモン・鮭

鮭のアスタキサンチンとは?【2026年】身が赤い理由と種類別の色・栄養

鮭の身はなぜ赤い?アスタキサンチン 白身魚の赤の正体と天然・養殖の違い
しゅん

まいど、食品バイヤーのしゅんです。

鮭の切り身を見ていて、「これ、なんでこんなに赤いんやろ」と思ったことはありませんか。

しかも、紅鮭は真っ赤なのに、スーパーの秋鮭はちょっと薄いオレンジ。同じ鮭でも色がぜんぜん違うんですよね。

この記事では、鮭の身が赤い理由と、その色の正体「アスタキサンチン」について、自治体の研究所や国の資料に書かれていることを集めました。

種類ごとの色の濃さ、天然と養殖で赤くなるしくみの違い、ついでに鮭の栄養まで、数字で見ていきます。仕事柄、切り身の色で値段が変わる現場を毎年見ているので、そのあたりの話も少し混ぜます。

目次

鮭は白身魚なのに、身が赤い

最初にちょっと意外な話から。鮭は、身が赤いので赤身魚と思われがちですが、分類としては白身魚です。

鮭は白身魚か赤身魚か 色と分類の関係

大田区の保育園の給食だよりでも、「鮭は身が赤いため赤身魚と思われがちですが、白身魚です」と紹介されています。身が赤く見えるのは、エサのエビやカニに含まれるアスタキサンチンという赤い色素のためです。

マグロやカツオの赤とは、色のもとがそもそも違うんです。

参考:大田区「給食だより」(令和6年11月)

色の正体はアスタキサンチン

北海道立総合研究機構の資料では、鮭は筋肉に含まれるカロテノイド色素(主にアスタキサンチン)で鮮やかなサーモンカラーになる、と説明されています。

同じ資料には、鮭の品質で最も重要視される項目は身色だ、とも書かれています。

これ、現場の感覚とも合うんです。ぼくが入社したばかりのころ、北海道の加工場で「色の薄いロットは値段が下がる」と聞いて、正直ピンとこなかったんですね。味は同じやろ、と。ところが並べて見たら、お客さんが手に取るのは見事に赤い方ばかりでした。

サーモンの切り身のアップ

サーモンの切り身(イメージ・写真:Unsplash)

参考:北海道立総合研究機構「試験研究は今」No.578 科学でサケの身色を評価する!

種類で色の濃さはここまで違う

では、どの鮭がどれくらい赤いのか。東京都健康安全研究センターが、市販の鮭・サーモンの色素の量を分析した報告があります。

鮭・サーモンの種類別 身の赤い色素の量 紅さけからアトランティックサーモン・白さけまで

総カロテノイド(身の赤い色素の合計)で見ると、赤みの強い紅さけは32ppmと41ppm。サーモントラウト・銀さけ・キングサーモンは10〜20ppm、色の薄いアトランティックサーモンや白さけ(秋鮭)は10ppm以下でした。

報告でも、色素の量は身の色の濃さに比例していたとまとめられています。

ppmというのは1kgあたりのmgのこと。100gに直すと、紅さけでも3〜4mgほどです。

秋鮭の切り身が紅鮭より薄い色なのは、鮮度が落ちたからではなく、もともと種類として色素が少ないから。ここは誤解されやすいところですね。

サーモントラウトとアトランティックサーモンの違いは、アトランティックサーモンとトラウトサーモンの違いで詳しく比べています。

参考:東京都健康安全研究センター年報57(2006)「市販養殖サケ・マス類のカロテノイド系色素及び酸化防止剤の含有量」

天然と養殖で、赤くなるしくみが違う

天然の鮭と養殖サーモンが赤くなるしくみの違い

天然の鮭は、色素をエサから取りこみます。東京都の報告では、天然のサケ・マス類は色素を主に食べ物の藻類から得て、身の赤い色を保っている、と書かれています。藻類の色素がエビやオキアミを通って鮭に届く、という流れですね。

養殖のサーモンは、同じエサを食べているわけではありません。そこで、飼料にアスタキサンチンなどを加えて身の色をつけています。

…と書くと「え、色をつけてるの?」とドキッとする人もいると思います。ぼくも最初に聞いたときはそうでした。

ただ、これは決まりの中でやっていることです。厚生労働省の資料によると、アスタキサンチンは平成3年6月に飼料添加物として指定され、養殖の魚の色をよくするために使われています。飼料に入れていい量の上限も決められていて、魚類は飼料1トンあたり100gです。

当時の資料に載った食品安全委員会の評価案では、アスタキサンチンは自然界に広くあって食品として普段から摂っていることなどから、1日の摂取許容量(ADI)を設定しない、とされています。

東京都の分析では、養殖のアスタキサンチンは4.0〜15.7ppm、天然は5.5〜30.3ppm。養殖サーモンの色は天然に近いことが確かめられた、ともまとめられています。

参考:厚生労働省 薬事・食品衛生審議会資料「アスタキサンチン」(2004年)

鮭の栄養:ビタミンDが多い魚

色の話から少し離れて、栄養も見ておきます。「鮭 栄養」で調べる人も多いので。

鮭とサーモン100gあたりのビタミンD しろさけ・べにざけ・ぎんざけ・アトランティックサーモン

成分表で目立つのはビタミンDです。100gあたり、べにざけ(生)33.0µg、しろさけ(生)32.0µg。塩ざけでも23.0µgあります。

日本人の食事摂取基準(2025年版)では、成人のビタミンDの目安量は1日9.0µg。しろさけ100gで、その3倍以上になる計算です。

いっぽう、養殖のアトランティックサーモンは8.3µg、ぎんざけ(養殖)は15.0µg。同じ「鮭・サーモン」でも、種類でかなり差があります。

参考:健康長寿ネット「ビタミンDの働きと1日の摂取量」

脂ののりは養殖サーモンが多い

鮭とサーモン100gあたりの脂質とエネルギー

脂質は、しろさけ(生)が4.1g、べにざけが4.5gなのに対して、アトランティックサーモン(養殖)は16.5g、にじます(海面養殖)は14.2gあります。エネルギーもしろさけ124kcalに対して、アトランティックサーモンは218kcalです。

お寿司のサーモンがとろっとしているのは、この脂の差。焼き鮭でさっぱり食べたいか、刺身でとろっと食べたいかで選ぶ種類が変わってきます。

白い台の上のサーモンのブロック

サーモンのブロック(イメージ・写真:Unsplash)

塩ざけは食塩相当量が100gあたり1.8gあります。塩分が気になる人は、甘塩・薄塩の表示も見ておきましょう。

参考:文部科学省 食品成分データベース(日本食品標準成分表(八訂)増補2023年)

生で食べられるサーモンの選び方は、サーモンの通販おすすめと生で食べられるものの選び方にまとめています。

よくある質問

Q. 鮭にはアスタキサンチンがどのくらい含まれていますか?

種類によって違い、東京都の分析では1kgあたり数mg〜30mgほどでした。

天然のサケ・マス類は5.5〜30.3ppm、養殖は4.0〜15.7ppm(ppmは1kgあたりのmg)です。100gに直すと、多いものでも3mgほどになります。

Q. 養殖サーモンのアスタキサンチンは添加物ですか?

飼料に加える「飼料添加物」として認められたものです。

平成3年に飼料添加物として指定され、飼料1トンあたり100gまでという上限があります。当時の食品安全委員会の評価案では、1日の摂取許容量は設定しないとされています。

Q. 鮭の身が赤い理由は何ですか?

エサに含まれるアスタキサンチンという色素をため込んでいるからです。

鮭は分類上は白身魚で、マグロのような赤身とは色のもとが違います。天然の鮭は、藻類の色素がエビなどを通じて体に入ります。

Q. サーモンの色が薄いのはなぜですか?

多くは種類によるもので、色素の量がもともと少ないためです。

東京都の分析では、アトランティックサーモンや白さけ(秋鮭)は色素が10ppm以下と少なめでした。紅さけは32〜41ppmと多く、色の濃さは色素の量に比例しています。

Q. 鮭はビタミンDが多いですか?

多いです。

しろさけ(生)は100gあたり32.0µgで、成人の1日の目安量9.0µgの3倍以上あります。ただ、養殖のアトランティックサーモンは8.3µgと、種類で差があります。

まとめ

鮭は分類上は白身魚で、身の赤はエサからためこんだアスタキサンチンという色素によるものです。

色の濃さは種類で違い、紅さけがいちばん赤く、アトランティックサーモンや秋鮭は薄め。色の濃さは色素の量に比例しています。

天然は藻類からエビなどを通じて色素を取りこみ、養殖は決められた上限の中で飼料に色素を加えて色をつけています。

栄養では、しろさけ・べにざけはビタミンDが100gあたり30µgを超え、養殖サーモンは脂が多め。切り身の色を見たら、「この赤はエサの色なんやな」と思い出してもらえたらうれしいです。

ほな、また!

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