ゆで卵ダイエットは毎日2個で痩せる?1か月の効果と注意点【2026年】
まいど、食品バイヤーのしゅんです。
「毎日ゆで卵を2個食べたら痩せた」
そんな話、最近よく耳にしませんか。手軽やし安いし、ほんまなら試してみたい。
でも同時に、「卵ってコレステロールが多いんちゃうの?」「2個も毎日食べて大丈夫?」と引っかかる人も多いと思います。
この記事では、ゆで卵2個の中身を食品成分表の数字で分解して、毎日続けたら1週間・1か月でどう変わるのかを、海外の研究と計算で確かめていきます。
食品の栄養表示を毎日のように確認している仕事の目で、「期待していいところ」と「期待しすぎなところ」を分けてお話しします。
目次
ゆで卵2個の中身を数字で見てみる
まずは材料の確認からいきましょう。
日本食品標準成分表(八訂)によると、ゆで卵(全卵)は100gあたり134kcal、たんぱく質12.5g。
ただ、卵1個は100gもありません。スーパーでいちばんよく見るMサイズは、国の規格で殻つき58g以上64g未満。殻の割合(廃棄率)は11%なので、60gの卵なら食べる部分は約53gです。
これを2個ぶんにすると、こうなります。

2個で約142kcal、たんぱく質は約13g
カロリーはひかえめで、たんぱく質はしっかり取れる。数字だけ見ると、たしかにダイエット向きの食べ物です。
一方で、炭水化物はほぼゼロ、食物繊維とビタミンCは0。卵だけで栄養がそろうわけではない、というのも覚えておいてください。
参考:農林水産省「鶏卵の規格」
たんぱく質13gは1日の何割?
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、18〜64歳のたんぱく質の推奨量は男性65g、女性50gです。

ゆで卵2個で、女性なら1日の約4分の1。男性でも約2割をまかなえる計算です。
ダイエット中は食べる量そのものが減るので、たんぱく質も一緒に減りがち。そこを手軽に埋められるのが、ゆで卵のいちばんの強みやと思います。
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書
「卵で痩せる」は研究でどこまで言える?
ここからが本題です。
卵とダイエットの話でよく引き合いに出されるのが、アメリカの研究チーム(Vander Walほか)が行った2つの研究。
1つめは2005年。太りぎみの女性30人に、同じカロリーの「卵の朝食」と「ベーグルの朝食」を食べてもらい、そのあとの食事を比べました。卵の朝食の日は、昼ごはんで約164kcal少なく、36時間で見ると約400kcal少なかったそうです。
卵の朝食はお腹が長くもつ、ということですね。
2つめは2008年。こちらは160人で8週間、実際に体重がどう変わるかを見ています。

1日のカロリーを約1,000kcal減らした組では、卵の朝食の人が約2.7kg、ベーグルの朝食の人が約1.6kg減りました。
この差が「卵で65%多く痩せた」として広まった数字です。
見落とされがちな、もう1つの結果
正直に言うと、僕も最初にこの研究の話を聞いた時は「卵ってすごいな」と思ったんです。
ところが元の論文の要旨を読んでみたら、ちゃうかった。
カロリーを減らさず、いつも通り食べた組では、卵の朝食でもベーグルの朝食でも体重にはっきりした差が出なかったんです。
つまり、卵そのものに脂肪を燃やす力があるわけではない。お腹がもつおかげで食べる量を減らしやすくなる、という「手助け役」なんですね。
ちなみにこの研究では、血液中のコレステロールの値も、卵の組とベーグルの組で差はありませんでした。
参考:Vander Wal ほか「Egg breakfast enhances weight loss」International Journal of Obesity(2008年)
毎日2個を「足す」と、実は太る方向に動く
研究の結果を、毎日の生活に当てはめてみます。
いつもの食事はそのままで、ゆで卵2個を「足す」だけだと、1日あたり約142kcalのプラス。30日で約4,260kcalです。
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、体脂肪1kgを減らすのに約7,000kcalが必要とされています。逆から見れば、約4,260kcalは体脂肪にして約0.6kgぶんの「上乗せ」。
痩せるつもりが太る方向やないかい! ってなりますよね。
一方、いつも食べている300kcalくらいの間食をやめて、ゆで卵2個に「置き換える」とどうか。

1日あたり約158kcalのマイナスで、30日で約4,740kcal。体脂肪にすると約0.7kgぶんです。
同じ「毎日2個」でも、足すか置き換えるかで1か月後の向きが逆になる
ここがゆで卵ダイエットのいちばん大事なところです。
1週間・1か月でどう変わる?目安を時間の順に
「続けたらどうなるか」を、ここまでの研究と計算から時間の順に並べるとこんな感じです。

食べたその日に分かりやすいのは、お腹のもち。朝に食べると昼までの空腹がゆるやかになった、という人は多いと思います。
1週間だと、体重計の数字はまだ当てになりません。体重は食事の量や塩分、水分でも1日の中で上下するので、脂肪が減ったかどうかはこの段階では見えにくいんです。
2週間あたりで、間食が減ったかどうかがはっきりしてきます。ここで「卵を食べたうえでお菓子もいつも通り」になっていたら、たぶん1か月後も体重は動きません。
1か月続けて、置き換えがうまくいっていれば、体脂肪で0.5〜0.7kgくらい。数字にすると地味ですが、無理なく続けた結果としては十分です。
「1か月で何kgも落ちた」という話は、卵以外にも食事全体を減らしていたり、最初の水分の減りが入っていたりすることが多いと思います。
髪や肌がきれいになる、は本当?
ついでに、よく聞く「卵を続けたら髪のパサつきが減った」という話にも触れておきます。
卵にはたんぱく質やビタミンB群が入っていて、どれも体を作るのに欠かせない栄養です。ただ、ゆで卵を毎日2個食べたら何週目で髪や肌がこう変わる、と確かめた研究は見当たりませんでした。
もともと食事が偏っていた人が、たんぱく質を足して調子が良くなった、ということはあるかもしれません。でも「卵の効果」として期待しすぎないほうが、がっかりせずに済みます。
毎日2個のコレステロールは大丈夫?
ここで少し脱線させてください。
僕が食品の仕事を始めたころ、会社の健康診断の前になると、先輩たちが急に卵を控えだすのが毎年の恒例でした。「1日1個まで」が合言葉みたいになってたんです。
今はその考え方がずいぶん変わっています。
厚生労働省の食事摂取基準では、2015年版でコレステロールの上限の目標が外され、2025年版でも健康な人向けの数値の目標は置かれていません。
ただし、脂質異常症の人については「重症化を防ぐために1日200mg未満が望ましい」とされています。

ゆで卵は1個で約201mg。
健診でLDLコレステロールが高いと言われている人は、1個でもう目安いっぱいです。2個を毎日、は自己判断で始めず、かかりつけの先生に聞いてからにしてください。
何個までなら食べていいか、という話は別の記事で詳しくまとめています。
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」脂質
あわせて読みたい:ゆで卵は食べ過ぎると体に悪い?1日何個までなら安全か
毎日2個を「効かせる」食べ方
最後に、置き換えを成功させるための食べ方です。

いちばんのおすすめは、朝食か、いつもお菓子をつまんでいる時間に食べること。研究で効果が出たのも「朝食」でした。
置き換える相手は、菓子パンやスナック菓子、甘い飲み物あたりが狙い目です。ご飯を全部抜いて卵だけ、というのは長続きしないので、主食は少し減らすくらいにしておきましょう。
- 塩はひとつまみ。マヨネーズをたっぷりかけると、置き換えたぶんのカロリーが戻ってくる
- 卵には食物繊維がないので、野菜や海藻、きのこを一緒に
- 作り置きは冷蔵庫に入れて、なるべく早めに食べきる
- 飽きたら1個に減らしてOK。やめてしまうよりずっといい
茹で方や殻をむきやすくするコツは、こちらの記事にまとめています。
あわせて読みたい:ダイエット・筋トレにゆで卵が最強な理由!殻むきしやすい茹で方と食べ方
よくある質問
Q. ゆで卵ダイエットで1か月何kg痩せる?
ゆで卵だけで決まる数字はなく、何と置き換えたかで変わります。
300kcalの間食をゆで卵2個に置き換えた場合、1か月で体脂肪にして約0.7kgぶんが目安です。食事全体を減らせば、そのぶん上乗せされます。
Q. ゆで卵を毎日2個食べると太る?
いつもの食事に足すだけなら、太る方向に動きます。
2個で約142kcalなので、30日で約4,260kcal、体脂肪にして約0.6kgぶんのプラスです。何かを減らして置き換えるのが前提です。
Q. 夜にゆで卵を食べると太る?
夜に食べたから太る、ということはありません。
体重を左右するのは1日の合計カロリーです。夜食のラーメンやお菓子をゆで卵に替えるなら、むしろ減らす方向に働きます。
Q. ゆで卵2個のカロリーは?
Mサイズ2個で約142kcalです。
食品成分表の「ゆで卵100gあたり134kcal」から、殻をのぞいた中身を1個約53gとして計算しました。Lサイズなら少し増えます。
Q. 毎日2個でコレステロールは大丈夫?
健康な人には、国の基準でコレステロールの上限の数値は決められていません。
ただし脂質異常症の人は1日200mg未満が目安で、ゆで卵1個(約201mg)でほぼ届きます。健診で指摘されている人は、医師に相談してからにしてください。
まとめ
ゆで卵2個は約142kcal、たんぱく質は約13g。お腹がもちやすく、ダイエット中に不足しがちなたんぱく質を手軽に補える、優秀な食べ物です。
ただし、研究で体重が減ったのは「カロリーを減らしたうえで、卵を朝食にした人」でした。卵そのものに痩せる力があるわけではありません。
ゆで卵は「足す」と太る、「置き換える」と痩せる
間食や朝食の一部をゆで卵2個に替えて、1か月で体脂肪0.5〜0.7kgぶん。地味ですが、我慢の少ないやり方としては悪くない数字やと思います。
健診でコレステロールを指摘されている人だけは、始める前に先生に相談を。
ほな、また!
