牛タンを一番食べる県は?【2026年】家計調査の数字と仙台以外で多い街
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まいど、食品バイヤーのしゅんです。
「牛タンを一番食べる県って、やっぱり宮城?」
仙台に行ったら牛たん定食。駅にも空港にも牛たんの店が並んでいて、仙台=牛タン、というイメージはもう全国区ですよね。
でも、「一番食べる」と言い切れる数字があるのかというと、話は別です。
この記事では、総務省の家計調査という、家庭が何をどれだけ買っているかを毎月記録している公的な統計を使って、牛タンをよく買っている街を調べました。
調べてみると、思っていたのとはだいぶ違う数字が出てきました。仙台以外で数字が大きい街もあります。順番に見ていきましょう。
目次
牛タンだけの県別データはある?
最初に正直に書いておくと、牛タンだけの都道府県別の消費量を出している公的な統計は見つかりませんでした。
いちばん近いのが、総務省の家計調査です。全国の二人以上の世帯が、どの食べ物にいくら使い、何グラム買ったかを記録していて、都道府県庁のある市と政令指定都市の52都市ごとに数字が出ます。
ただ、この調査には「牛タン」という項目がありません。

家計調査の項目の決まりを見ると、タンは「他の生鮮肉」という項目に入ります。ここには、タンのほかに馬肉、羊肉、かも、もつ(レバー・ミノなど)、尾、足なども一緒に入っています。
さらにややこしいのが、味付けの牛タン。
同じ決まりでは、塩やみそ、たれなどに漬けた肉は「加工肉」に分けられます。通販でよく見る、塩だれに漬けて冷凍した厚切り牛タンは、生のタンとは別の項目に入るわけです。
そして、お店で食べる牛たん定食は、家で買う食べ物とは別の「外食」の数字になります。
生のタン、味付けのタン、お店の牛タン。家計調査では3か所に分かれていて、牛タンだけを足し出すことはできない
なので、この記事で「一番」を決めることはできません。そのかわり、タンが入っている項目の数字から、牛タンをよく買っていそうな街を見ていきます。
タンが入る「他の生鮮肉」の多い街
まずは、生のタンが入る「他の生鮮肉」を、1世帯が1年で何グラム買っているか。2023〜2025年の3年平均です。

1位は熊本市の2,464g。2位の札幌市(2,365g)、3位の山形市(2,346g)と続き、仙台市は2,051gで8位でした。全国平均は1,592gです。
ここで一度、数字の読み方に立ち止まります。
熊本といえば馬刺し、札幌といえばジンギスカン。「他の生鮮肉」には馬肉も羊肉も入るので、熊本と札幌の数字の多くは、牛タンではなくそちらだと考えるのが自然だと思います。ここは数字からは分けられないので、わたしの推測です。
それでも、仙台が52都市の中で8位に入っているのは確か。全国平均より約460g多く買っています。
金額で見ても、仙台は9位
同じ「他の生鮮肉」を、買った金額で見るとこうなります。
1位が熊本市の6,935円、2位が札幌市の5,350円、3位が山形市の5,348円。仙台市は4,103円で9位でした。全国平均は3,228円です。
量でも金額でも、上位の顔ぶれはほとんど同じ。仙台はどちらでも10位以内に入っています。
たれ漬けの肉が入る「他の加工肉」は5位
次は、味付けの牛タンが入りそうな「他の加工肉」。こちらは金額だけが出ています。

1位は那覇市の6,254円。札幌市、青森市、山形市と続いて、仙台市は4,536円で5位に入りました。全国平均は3,515円です。
「他の加工肉」も、牛タンだけの項目ではありません。ハムやソーセージ、ベーコンは別の項目なので、それ以外の加工した肉がまとめて入っています。那覇市が1位なのは、牛タンとは別の理由がありそうです。
ただ、生のタンが入る項目でも、たれ漬けの肉が入る項目でも、仙台はそろって上位10位以内。牛タンの街らしい数字ではあります。
意外:仙台は牛肉を買う量が少ない
ここで、いちばん意外だった数字を出します。
普通の「牛肉」を1年に何グラム買っているかです。

1位は京都市の8,119g。2位の堺市、3位の大阪市と、上位は関西が占めます。全国平均は5,594g。
そして仙台市は4,006gで、52都市の中で43位でした。金額でも43位です。
最初にこの数字を見たとき、正直「表を読み間違えたかな」と思いました。牛タンの街が、牛肉はあまり買わない。何度見直しても、そういう数字です。
わたしの読みはこうです。仙台の人にとって牛タンは、牛肉の仲間というより、それだけで1つのジャンルなんやと思います。すき焼きやステーキのために牛肉を買う量は関西よりずっと少ない。でも、タンは別枠でよく食べる。
関西育ちのわたしからすると、牛肉といえば「すき焼きの肉」なので、この感覚の違いはおもしろいところです。
そもそも、なぜ仙台が牛タンの街なのか
家計調査で仙台の数字が「タンの入る項目だけ高い」のは、仙台の牛タンの歴史を考えると納得がいきます。
仙台市の公式サイトでは、牛たん焼きの専門店が仙台に初めて生まれたのは昭和23年(1948年)で、そこから全国に広がった、と紹介されています。
同じく仙台市のページによると、始まりは戦後間もない昭和20年代。牛タンを厚切りにして塩で味付けし、炭火で焼く形を、地元の飲食店主が試行錯誤して生み出しました。厚みは1〜2cmほどで、焼肉店でよく見る2〜3mmの何倍もあります。名物として全国に知られるようになったのは昭和後期、新幹線の開業などで仙台を訪れる人が増えてからだそうです。
ただし、「仙台の牛タン=宮城の牛」ではありません。日本で食べられている牛タンは輸入が中心で、牛1頭から1本しか取れないタンを、アメリカやオーストラリアなどから仕入れています。
牛たん焼きが生まれた経緯や、麦飯・テールスープと一緒に出る理由は、仙台牛タンはなぜ有名?の記事と牛タン定食に麦飯やとろろが付く理由の記事にまとめています。輸入先の国ごとの違いは、牛タン産地ランキングの記事で書きました。
仙台以外で数字が大きい街
では、仙台以外でタンをよく食べていそうな街はどこか。
家計調査の数字だけで見ると、「他の生鮮肉」も「他の加工肉」も上位に入っているのは、札幌市、山形市、青森市です。

- 札幌市:他の生鮮肉が量で2位・金額で2位、他の加工肉が2位
- 山形市:他の生鮮肉が量で3位・金額で3位、他の加工肉が4位
- 青森市:他の生鮮肉が量で4位、他の加工肉が3位
ただし、何度も書いているとおり、この中には羊肉や馬肉、もつ、牛タン以外のたれ漬けの肉も入っています。札幌のジンギスカンのように、ほかの肉で数字が上がっている可能性は十分にあります。
「この街も牛タンの名所」と言い切るには、家計調査では足りません。仙台のように、専門店の歴史や数がはっきりしている街は、公的な資料では仙台以外に見つけられませんでした。
ちなみに、テレビ番組で焼肉チェーンの売上をもとにした都道府県別の牛タンの注文ランキングが紹介されたことがあるようですが、会社の公式な発表としては確かめられなかったので、ここでは順位を書きません。
ここで少し脱線させてください。
10年ほど前、出張で仙台に行ったとき、取引先の人に「地元の人は牛タン、そんなに食べへんのでしょ?」と聞いたことがあります。観光客向けの名物って、地元の人はあまり食べないことも多いので。
返ってきた答えは「いや、普通に食べますよ。家でも焼きますし」。焼肉の日でもないのに、スーパーでタンを買って帰るのは普通のことだそうです。今回、家計調査で仙台が「他の生鮮肉」の上位に入っているのを見て、あのときの会話を思い出しました。
家で牛タンを食べるなら、通販でどう選ぶ?
仙台に行かなくても、牛タンは通販で取り寄せて家で焼けます。
選ぶときに見ておきたいのは、厚さ、味付けの有無、原産国の3つです。
- 厚さ:仙台の牛たん焼きのような食べごたえなら厚切り。焼肉なら薄切り
- 味付け:塩だれに漬けてあれば、解凍して焼くだけ。味付けなしは自分で塩をふる
- 原産国:国が1つに決まっているか、複数の国が並んでいるか
原産国の見方は、牛タン産地ランキングの記事で詳しく書いています。通販の牛タンを、厚さ・味付け・100gあたりの値段で比べたのが牛タン通販おすすめランキングです。
手軽に厚切りを焼くなら:かに本舗の厚切り牛タン
カニの通販で知られるかに本舗にも、牛タンがあります。
向いてる人:産地の指定より、味付け済みの厚切りを家で手軽に焼きたい人
厚さ10mmに切って調味液に漬け、冷凍した牛タンが約500g入っています。熊本の工場で加工されたものです。
厚さ10mm!厚切り牛タン 約500g
- 約500g(調味液に漬けて冷凍) 4,800円
- 原産地:ヨーロッパ・ニュージーランド・オーストラリア・南米・アメリカ又はカナダ
- 加工地:熊本県
- 解凍は冷蔵庫で約半日
かに本舗の商品ページ(2026年10月21日確認・税込)。8,000円未満なので送料がかかる場合あり。口コミ4.1(18件)
- 向いてる人:産地の指定より、味付け済みの厚切りを家で手軽に焼きたい人
- 気をつけたい点:原産地は複数の国が並んでいて、届くタンの国は選べない。口コミはまだ18件
- しゅんのひとこと:焼く前に少し常温に置いて、出てきた水気をふき取ってから焼くように、と商品ページにあります。ここをさぼると焼き色がつきにくいです
ちなみに、家計調査の決まりでいうと、この牛タンは調味液に漬けてあるので「加工肉」に入ります。買った人の家計簿では、牛肉でも「他の生鮮肉」でもない、というのがちょっとおもしろいところです。
よくある質問
Q. 牛タンを一番食べる都道府県はどこ?
牛タンだけの都道府県別の公的な統計はないので、言い切れる「一番」はありません。総務省の家計調査では、タンは馬肉・羊肉・もつと同じ「他の生鮮肉」に入り、その購入量は熊本市・札幌市・山形市が上位、仙台市は8位でした(2023〜2025年平均)。
Q. 牛タンの消費量日本一は仙台?
公的な統計では確かめられません。家計調査で仙台市は、タンが入る「他の生鮮肉」が量で8位・金額で9位、たれ漬けの肉が入る「他の加工肉」が5位と、どちらも上位10位以内です。ただし、お店で食べる牛タンはこの数字に入っていません。
Q. 家計調査で牛タンはどの項目に入る?
生のタンは「他の生鮮肉」に入ります。塩やたれに漬けた味付けの牛タンは「加工肉」、お店で食べる牛たん定食は「外食」です。総務省の収支項目分類(2025年1月改定)で確かめました。
Q. 仙台の人は牛肉をたくさん買う?
家計調査では、仙台市の牛肉の購入量は52都市の中で43位で、全国平均より少なめでした(2023〜2025年平均・4,006g)。1位は京都市の8,119gで、牛肉は関西の都市が上位を占めています。
Q. 仙台の牛タンは宮城県産?
宮城県の牛とは限りません。日本で食べられている牛タンは輸入が中心で、アメリカ産とオーストラリア産が多くを占めます。牛1頭からタンは1本しか取れないためです。輸入先ごとの違いと数字は牛タン産地ランキングの記事にまとめています。
まとめ
牛タンを一番食べる県を、公的な統計で決めることはできませんでした。家計調査には牛タンという項目がなく、生のタンは「他の生鮮肉」、味付けのタンは「加工肉」、お店の牛タンは「外食」に分かれているからです。
数字で言えるのは「仙台は、タンが入る項目ではそろって上位10位以内。でも牛肉は43位」
タンが入る「他の生鮮肉」の購入量は、熊本市・札幌市・山形市が上位で、仙台市は8位。たれ漬けの肉が入る「他の加工肉」では、仙台市は5位でした。
仙台以外では、札幌市・山形市・青森市が両方の項目で上位に入っています。ただ、羊肉や馬肉、もつも一緒に数えられているので、「牛タンの名所」と言い切れるのは、公的な資料で見るかぎり仙台だけでした。
仙台まで行けない年は、通販で厚切りを取り寄せて、家で焼くのもありです。
ほな、また!
出典:総務省統計局 家計調査(二人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(2023年〜2025年平均)、総務省統計局 家計調査 収支項目分類及びその内容例示(2025年1月改定)、仙台市 ふるさと納税の返礼品のページ、仙台市「仙台市の厚切り牛タン―歴史とブランドができるまで」、かに本舗 厚切り牛タン(いずれも2026年10月21日確認)。順位は52都市の中での順位です。

