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【徹底解剖】カニ通販の王者「甲羅組」は何が違う?現役バイヤーが業界の裏側からその「本質」を暴く

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【徹底解剖】カニ通販の王者
「甲羅組」は何が違う?
現役バイヤーが業界の裏側から
その「本質」を暴く

「ネットで食品を買うのは怖い」。

その感覚、プロの僕から言わせてもらえば
大正解です。

顔の見えない相手から、口に入れるものを買う。
しかもカニのような高単価なものなら、
なおさらですよね。

実際、業界には
「写真と現物が別物」
なんて悪徳業者が未だに存在します。

そんな疑心暗鬼なEC市場で、
なぜ福井県の一企業である
「甲羅組(株式会社伝食)」が、

楽天ショップ・オブ・ザ・イヤーの
「総合グランプリ」という
頂点まで登り詰められたのか?

この記事では、いち食品バイヤーとして、
彼らの「物流インフラ」「商品戦略」、
そして「企業哲学」を徹底的に深堀りします。

これを読めば、ただの「美味しいカニ屋さん」ではない、
次世代の食品流通の姿が見えてくるはずです。

業界の裏事情マシマシでお届けします。

1. 5万店舗の頂点へ…
数字が語る「異常な成長」

まず、甲羅組(運営:株式会社伝食)が
どれほど「異常」な存在か、
数字で見てみましょう。

バイヤーとして企業の信用度を測るとき、
僕はまずこの「成長の質」を見ます。

2011年に福井県敦賀市で創業した彼らは、
2024年9月期の売上高で…

137億円

これを叩き出しています。

わずか2年前の2022年が約99億円でしたから、
この短期間で約38%もの成長です。

食品業界、特に成熟した水産業界でこの伸び率は、
正直言って
バケモノ級です。

そして、その実力を決定づけたのが
「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー(SOY)2024」での
総合グランプリ受賞です。

楽天市場には約5万5,000店舗が出店しています。
その中でたった1店舗しか座れない「王座」に、
地方の水産会社が座った。

これは単に「カニが売れた」だけでは達成できません。

  • 注文件数の多さ:
    単純な人気度。
  • 売上の規模:
    ビジネスとしての大きさ。
  • 顧客対応の質:
    レビューの点数やクレームの少なさ。

これら全てが高次元で噛み合わないと無理なんです。

特に海産物は「当たり外れ」が激しい商材なので、
顧客満足度を維持しながら規模を拡大するのは
至難の業。

それを成し遂げた背景には、
これから解説する
「普通の魚屋では絶対にやらないレベルの投資」
があります。

2. 鮮度の正体は「要塞」。
伝食ロジスティクスの全貌

僕が甲羅組を
「ただのネットショップじゃない」
と確信した瞬間。

それが、「伝食ロジスティクス」という
巨大拠点の存在を知った時です。

多くのネット通販業者は、
在庫リスクを恐れて、
メーカー直送(ドロップシッピング)や、
汎用的な物流倉庫への委託を行います。

初期費用もかからないし、楽ですからね。

しかし、甲羅組は真逆を行きました。

福井県敦賀市に、自社で
巨大な加工物流センター
を建設したのです。

バイヤーが震える「垂直統合」の強み

この施設の何が凄いかというと、
「加工」と「物流」が同じ屋根の下にある
という点です。

① 1階:水産加工場

最新のカニカット機械や、高性能な冷凍機が並んでいます。
水揚げされたカニや仕入れた原料を、
ここで即座に加工し、
細胞を壊さないスピードで急速冷凍します。

これが、解凍しても水っぽくならない
(ドリップが出ない)理由です。

② 倉庫エリア

加工した商品をそのまま横移動で保管。
移動による温度変化のリスクを
極限まで減らしています。

③ 2階:通販事務所

受注処理や顧客対応をする部隊が、
商品の真上にいます。
現場とデスクが直結しているため、
「在庫がないのに売ってしまった」とか
「発送指示が遅れた」といったミスが
構造的に起きにくいのです。

バイヤー目線で言うと、これは
「品質のコントロール権を自社で握っている」
ということ。

他人に任せず、
自分たちの目の届く範囲で全てを完結させる。

だからこそ、
「12時までの注文は即日発送」という、
繁忙期には自殺行為とも思えるスピード配送を実現し、
かつ「刺身で食べられる鮮度」を担保できるのです。

2022年から稼働したこの拠点は、
生産物流効率を従来の1.25倍に引き上げたとされています。

137億円という巨大な流通量をさばき切れるのは、
根性論ではなく、
この鉄壁のインフラがあるからこそなんですよ。

3. カニ一本足打法からの脱却。
「食の総合商社」への野望

「甲羅組=カニ」というイメージが強いですが、
彼らの戦略を見ていると、
明確に「脱・カニ依存」を進めていることが分かります。

カニは確かに儲かりますが、リスクもデカい。
漁獲量は年々変動するし、
価格高騰の影響も受けやすい。
おまけに冬に売上が偏りすぎる。

経営の安定化を目指すなら、
商材の多角化は必須です。

甲羅組はその点、
非常に上手いポートフォリオを組んでいます。

カニ以外も「主役級」を揃える

彼らのラインナップを見てください。

・ブラックタイガー(エビ)
・うなぎ
・鯖
・いくら

これらは単なる脇役ではなく、
それぞれのジャンルでランキング上位を狙える
クオリティで投入されています。

特にブラックタイガーの特大サイズなんかは、
スーパーではまずお目にかかれない規格です。

「ネット通販でしか買えない非日常感」を、
カニ以外の商材でも徹底しているんですね。

これにより、カニが売れない夏場でも、
うなぎやBBQ用のエビで収益を確保する体制が
整っています。

さらに面白いのが、
別ブランド「祖の食庵」の展開です。

ここでは海産物ではなく、
干し芋やナッツ、ドライフルーツなどの
「スイーツ・健康食品」を扱っています。

そして驚くべきことに、ここでも
楽天SOYの「スイーツ・お菓子ジャンル」で
賞を獲っているんです。

これはつまり、彼らの強みが
「カニの仕入れ力」だけではなく、

「売れる商品を開発し、ネットで売る販売力そのもの」

にあることの証明です。

海産物で培ったノウハウを他ジャンルに横展開する。
まさに「食の総合商社」としての足腰が
完成しつつあると言えるでしょう。

4. ネットを飛び出した
「リアル」の衝撃。
築地と地域貢献

デジタルで大成功した企業が、
あえてアナログな「リアル店舗」を出す。

ここにも甲羅組のしたたかな戦略が見え隠れします。

東京・築地場外市場にある
「越前かに職人 甲羅組 築地2号店」

ここでは職人が目の前でカニを焼くパフォーマンスを行い、
インバウンド客や観光客で行列を作っています。

テレビ(TBS『人生最高レストラン』など)でも
取り上げられるこの店舗は、
単なる売上確保の場ではありません。

① ブランドの「実体化」
「ネットの怪しい店」ではなく、
「築地に店を構えるちゃんとした店」という
信頼の担保。

② 顧客との接点
実際に食べた客の反応をダイレクトに見られる
マーケティングの場。

③ メディア露出のフック
テレビ取材は地方の倉庫より、
都内の人気店の方が入りやすい。

この「リアル」と「ネット」の相乗効果(O2O戦略)が、
ブランド力を強固にしています。

地域経済を回すエンジンとして

また、彼らの地元・福井県敦賀市に対する貢献も
見逃せません。

「ふるさと納税」において、
甲羅組の商品は敦賀市の返礼品の顔となっています。

敦賀市に多額の寄付金をもたらすだけでなく、
伝食ロジスティクスでは
200名以上の雇用を生み出しています。

一企業が大きくなることで、
地元に金と仕事が落ちる。

この好循環を作れているからこそ、
行政や金融機関からの信頼も厚く、
さらなる投資が可能になる。

「地方発のグローバル企業」として、
非常に理にかなった成長モデルです。

5. 魔法はない。
あるのは「ばかまじめ」な
泥臭さだけ

ここまでシステムの凄さを語ってきましたが、
根底にあるのは意外にも泥臭い精神論です。

代表取締役の田辺晃司氏が掲げる創業の精神、
それが…

「ばかまじめ」

食品ビジネスに魔法はありません。

検品をサボればクレームが来る。
温度管理をミスれば腐る。
お客様への返信が遅れれば信用を失う。

当たり前のことを、
誰も見ていないところでも愚直にやり続ける。

「ばかまじめ」という言葉には、
そんな覚悟が込められているように感じます。

もちろん、ネット上には
「美味しくなかった」「配送が遅れた」
という悪い口コミもゼロではありません。

しかし、重要なのはその後の対応です。

長年SOYを受賞し続けているということは、
トラブルが起きた時のリカバリーや、
同じミスを繰り返さない改善プロセスが
機能している証拠です。

実際、商品ページや同梱されるチラシ(解凍マニュアルなど)は、
年々改良されています。

「どうすればお客さんが失敗せずに美味しく食べられるか」
を考え続け、改善を積み重ねる。

AIやテック企業のようなスマートさとは違う、
この「人間臭い努力」こそが、
最終的に消費者の心を掴んでいる最大の要因なのかもしれません。

6. 2030年「食の劇場」構想とは?
バイヤーの視点まとめ

最後に、彼らがどこへ向かおうとしているのか。

株式会社伝食は、2030年に向けたビジョンとして
「食の劇場(Food Theater)」
を掲げています。

これは、「商品を右から左へ流す物流」から、
「感動を届けるエンターテインメント」への
進化を意味しています。

築地でのライブ感ある販売や、
届いた箱を開けた瞬間の驚き、SNSでの発信。

単に「腹を満たすモノ」ではなく、
「心が動く体験」を提供しようとしているのです。

売上目標も野心的で、
200億円規模を見据えています。

SDGsへの配慮や、
持続可能な水産資源の確保といった課題もありますが、
これまでの実行力を見る限り、
絵空事では終わらないでしょう。

結論。

甲羅組(株式会社伝食)は、
単なる「ネットのカニ屋さん」ではありませんでした。

その正体は、

● 最強の物流インフラ
● データドリブンな戦略
● 泥臭い商売人魂

これらを併せ持った、
ハイブリッドな次世代食品商社です。

僕たちバイヤーが商品を選ぶとき、
最後に見るのは「その会社が信用できるか」です。

その点において、甲羅組は間違いなく、
今の日本でトップクラスに
「信用できる」選択肢の一つだと言えます。

もしあなたが、
今年の冬の食卓を彼らに委ねるかどうか迷っているなら、
その背中を押すだけの価値は十分にありますよ。

自己紹介
しゅん(管理人)
しゅん(管理人)
ボイルのカニが好き!

名前:しゅん
現役食品バイヤー / 40代会社員

関西の食品通販会社に勤務する40代の現役バイヤー。
仕事で年間数トンのカニや海産物を見ていますが、ネット上の「写真詐欺」や「素人レビュー」の多さに絶望し、このブログを開設しました。

会社の看板(建前)は一切抜き。業界の裏事情を知るプロとして、本当にコスパが良い商品の「選び方」と「本音」を暴露します。
趣味は競合他社の商品の自腹チェック。

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