カニの冷凍焼けとは?なぜ?味は?防止策は?解説!
まいど、食品バイヤーのしゅんです。
せっかく奮発して買ったカニ。
楽しみに箱を開けて、いざ食べてみたら…
「なんかパサパサしてて、段ボール食べてるみたい…」
「身がスカスカで、変な臭いがする…」
こんな経験、ありませんか?
これ、業界用語で「冷凍焼け(グレ)」と呼ばれる現象です。
正直言います。
ネット通販で失敗する理由のワースト3に入るのが、この「冷凍焼け」したカニを掴まされることなんです。
どんなに高級なカニでも、管理が悪ければゴミ同然になります。
今回は、業界の裏側にいる私が、
「なぜ冷凍焼けが起きるのか」
「ハズレ商品の見分け方と対策」
について、建前抜きで暴露します。
これを知らないと、あなたの大切なお金をドブに捨てることになりかねません。
美味しいカニでお腹いっぱいになるために、ぜひ最後まで付き合ってください。
カニが不味くなる「冷凍焼け」の正体
まず、結論から言います。
冷凍庫に入れているのに、なぜ乾燥するの?と思いますよね。
これには「昇華(しょうか)」という現象が関係しています。
簡単に言うと、カニの中にある水分(氷)が、溶けて水になるのをすっ飛ばして、いきなり気体になって蒸発してしまう現象のこと。
水分が抜けたカニの繊維は、まるで「スポンジ」や「木くず」のようになります。
こうなると、もう元のプリプリした食感には戻りません。
見た目と味のヤバいサイン
冷凍焼けしたカニには、明確な特徴があります。
届いたカニ、あるいは家の冷凍庫に眠っているカニをチェックしてみてください。
- 身が白っぽく、パサついている
- 殻の中に隙間ができている(身痩せ)
- 古い油のような、酸っぱい臭いがする
これは水分が抜けたことで、カニの脂質が空気に触れて酸化してしまった証拠です。
正直、この状態のものを「カニ」として食べるのは厳しいです。
「家庭の冷凍庫」がカニを殺す理由
ここで、多くの人が勘違いしている事実をお伝えします。
「届いたらすぐに冷凍庫に入れたから安心!」
これ、実は大きな間違いなんです。
なぜなら、家庭用冷蔵庫の冷凍室は、カニの長期保存に向いていないからです。
プロの冷凍庫 vs 家庭の冷凍庫
我々業者が使う業務用の冷凍庫は、マイナス40度〜60度という超低温の世界。
この温度帯なら、カニの劣化はほぼ止まります。
しかし、家庭用の冷凍庫はJIS規格で「マイナス18度以下」と決まっています。

しかも、扉の開け閉めで温度は頻繁に上がりますし、多くの冷蔵庫には「霜取り機能(デフロスト)」がついています。
この霜取り機能が、一時的に庫内の温度を上げてしまうんです。
「温度が上がる → カニの表面がわずかに溶ける → また凍る」
この繰り返しが、カニの水分を奪い、細胞を破壊します。
つまり、家庭の冷凍庫に入れた瞬間から、カニの劣化へのカウントダウンは始まっていると思ってください。
カニの賞味期限は
家庭用冷凍庫なら
「最大1ヶ月」が限度!
箱に「賞味期限:1年」と書いてあっても、それは業務用の環境なら、の話。
家では届いてから2週間、遅くても1ヶ月以内に食べるのが鉄則です。
お正月に食べるなら、12月の早すぎる時期に受け取るのはリスクが高い。
年末ギリギリの日付指定で配送してもらうのが、プロのおすすめです。
もし「焼け」てしまったら?救済レシピ
「昨年のカニが出てきた…完全に焼けてる」
「ハズレ業者から買ってしまって、届いた時点でパサパサだった」
絶望しますよね。わかります。
でも、捨てるのはまだ早いです。
そのまま茹でたり刺身にしたりするのは不味くて無理ですが、調理法を変えれば「出汁要員」として復活できます。
パサパサ蟹を美味しく食べるコツ
失われた水分と脂質を補う、あるいは出汁として割り切る作戦です。
- カニ炒飯(チャーハン):
多めの油とニンニクで炒めれば、パサつきも気になりません。酸化した臭いも飛びます。 - カニの味噌汁(鉄砲汁):
身を食べるのではなく、殻から出る出汁を楽しむ。味噌が臭みを消してくれます。 - トマトクリームパスタ:
濃厚なソースに絡めれば、繊維質の食感もアクセントになります。
「高いお金出したのに…」と悔しい気持ちはわかりますが、美味しく食べて成仏させてあげましょう。
まとめ:新鮮なカニを食べる鉄則
最後に、冷凍焼けで失敗しないためのポイントをまとめます。
- ✅ 家庭用冷凍庫を過信しない(賞味期限は実質1ヶ月)
- ✅ 年末年始用なら、配送指定日はギリギリにする
- ✅ パサついたら「炒める」か「汁物」へ
- ✅ 何より、回転率の良い(在庫を持たない)店で買う
バイヤーとして一番言いたいのは、4つ目の「店選び」です。
去年の在庫を安く売っているお店は、最初から冷凍焼けしているリスクが高い。
「訳あり激安」という言葉には、こういう裏事情が隠れていることもあります。
安さだけで選ばず、ちゃんと今年の「新物」を扱っているお店を選んでくださいね。
あなたのカニ選びが成功することを祈ってます!
食品バイヤーのしゅんでした。



