ズワイガニとトゲズワイガニの違いは?安い?まずい?
ズワイガニとトゲズワイガニの違いは?安い?まずい?
まいど、食品バイヤーのしゅんです。
カニ通販のサイトをパトロールしていると、たまに二度見するような価格に出会います。
「ズワイガニ食べ放題セット!3kgで1万円切り!」
こんな破格の商品、見たことありませんか?
「ラッキー!即買いだ!」と思ったあなた、ちょっと待ってください。
そのカニ、十中八九「トゲズワイガニ」です。
「え、ズワイガニじゃないの?偽物?」
そう思うのも無理はありません。
実はこの「トゲズワイ」、業界では「ジェネリック・ズワイガニ」のような存在として扱われています。
今回は、あまり知られていない「トゲズワイガニ」の正体と、
「本ズワイガニ」との決定的な違いについて、バイヤーの本音で解説します。
これを知らずに「激安」に飛びつくと、「なんか違う…」と後悔することになりますよ。
逆に言えば、特徴さえ知っていれば最強の節約食材になり得ます。
目次
1. 結論:トゲズワイは「質より量」の救世主
最初に結論を言います。
トゲズワイガニは決して「マズいカニ」ではありません。
ただ、本ズワイガニと比べると明確なランクの差があります。
【しゅん流の格付け】
- 本ズワイガニ:味のバランス、身入り、見栄えすべてが100点。
→ 贈答用、特別な日のディナー - トゲズワイガニ:甘みはあるが、身が細く繊維が弱い。価格は3割〜半値ほど安い。
→ 家族で食べ放題、カニ汁、質より量
要するに、トゲズワイガニは「家庭用のコスパ枠」です。
ここを理解して買うなら、非常にお得な買い物になります。
2. 本ズワイガニ:やっぱり「本家」は格が違う
比較対象として、まずは王道の「本ズワイガニ(オピリオ種)」のおさらいです。
私たちが普段「カニ美味しいね〜」と言っているのは、大抵こちら。
特徴は以下の通りです。
圧倒的な「バランス力」
本ズワイガニの凄さは、甘み・旨味・塩気のバランスが完璧なところです。
身の繊維もしっかりしていて、食べた時のプリッとした食感がある。
鍋に入れても良い出汁が出るし、そのまま食べても最高。
誰が食べても「あ、美味しい」と納得する味。
これが本ズワイガニが「カニの王様」と呼ばれる理由です。
3. トゲズワイガニ:名前の通り「トゲ」がある
では、問題の「トゲズワイガニ」とは何者なのか。
生息域は本ズワイよりも深い海。
見た目はそっくりですが、よく見ると甲羅や脚に鋭いトゲがあります。
味は「甘い」が「弱い」
実際に食べ比べてみるとわかりますが、
トゲズワイガニは「甘み」だけならかなり強いです。
紅ズワイガニに近い甘さを持っています。
しかし、身の繊維が細く、少し水っぽさを感じることが多いです。
口に入れた瞬間は「お、甘い!」となるんですが、
後味がスッと消えてしまい、本ズワイのような「濃厚な旨味の余韻」がありません。
良く言えば「繊細で上品」、悪く言えば「味が薄い・物足りない」。
これがプロの評価です。
殻が硬くて剥きにくい
もう一つの難点が、殻の硬さです。
本ズワイに比べて殻が硬く、トゲもあるため、手でパキッと割るのが少し大変です。
お子さんが食べる時は、大人がハサミを入れてあげないと苦戦するかもしれません。
4. 買ってはいけない?トゲズワイの注意点
「じゃあトゲズワイは買わない方がいいの?」
と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
ただ、「買うべきシチュエーション」を間違えると大事故になります。
- NGな場面:
「お歳暮などのギフト」「カニしゃぶメインの高級ディナー」
→ 相手に「安物を送ってきた」と思われるリスクがあります。 - OKな場面:
「親戚の集まりで大量に必要」「カニ汁にして出汁を楽しむ」「質より量で満腹になりたい」
→ コスパ最強の活躍を見せます。
特に「カニ汁」や「味噌汁」にするなら、トゲズワイは最高です。
殻から良い出汁が出ますし、身も甘いのでアクセントになります。
5. プロが教える「表記」の罠を見抜く技
最後に、通販サイトで騙されないためのポイントを伝授します。
実は、商品名に「本ズワイガニ」と書いていない場合、トゲズワイである可能性が高いです。
法律上、トゲズワイガニを「本ズワイガニ」と表記するのはNGですが、
単に「ズワイガニ」と表記するのはグレーゾーンとしてまかり通っている場合があります。
以下のキーワードに注意してください。
- 「大型ズワイガニ」(”本”が抜けている)
- 「訳あり 船上凍結ズワイ」(種類が明記されていない)
- 値段が相場より明らかに安い(3kg 8,000円など)
こういう商品は、原材料名の欄を必ずチェックしてください。
小さな文字で「トゲズワイガニ」と書かれていることがあります。
まとめ:納得して買えば「アリ」な選択
「トゲズワイガニ=偽物」と決めつけるのはもったいないです。
安くてお腹いっぱいになれる、庶民の強い味方であることは間違いありません。
- 間違いのない味と品質を求めるなら
→ 「本ズワイガニ」表記を確認して買う。 - とにかく安く、量を食べたいなら
→ 「トゲズワイガニ」をあえて選ぶのも賢い選択。
重要なのは、「自分が何を買っているか理解していること」。
「本ズワイだと思って買ったらトゲだった!」というガッカリ感さえなければ、
カニパーティはもっと手軽に楽しめるはずです。
皆さんのカニ選びが成功することを祈っています。
食品バイヤーのしゅんでした!


